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肖像画の歴史は古く、人々のさまざまな欲求や希望を叶えるものとして描かれてきました。画家や彫刻家たちがモデルと向き合うことによって生まれる肖像画は、注文主の希望や期待と芸術家の感性という、双方のまなざしが交差する場でもありました。
王侯貴族達は肖像画を個人の似姿を後世に残すだけでなく、一族の威信や権力を示すものとして、あるいは英雄崇拝、国家や宗教を宣揚するために用いてきたのです。
一方、芸術家にとって肖像画は重要な生活の糧であり、注文主の意向を反映したものとするため正確な描写や理想的な面を強調することも多くありました。
時代の変化とともに芸術家たちは外見だけでなくモデルの内面性をとらえることを試み始め、肖像画は特定の個人の記録という用途から美術作品として鑑賞されるものへと変化していきました。
写真が一般的になった今でも、欧米の家庭では、家族や子供、両親などの肖像画を注文し、代々引き継ぐ習慣が多く残っています。
絵画でしか表現出来ない存在感や、質感、そして何よりも家族を想う心が込められた、永遠の心の財産としての価値が、肖像画として生き続ける一番の理由なのでしょう。
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